「法人」の概略

【法人税】
法人税は、国の財政を支える大きな財源です。会社（法人）は個人と違って事業年度という期間で、その年度ごとに所得を計算し、その所得に基づいて税金を納めることになります。ここで大事なのは、会社を取り巻く利害関係者に営業成績を報告するための考え方と、税務上の所得の計算に対する考え方は違うということです。

【「法人」の概略】
①法人の種類と課税範囲
法人税の納税義務者は法人です。法人とは、自然人（私たち1人ひとりの人間の事）以外で、法律上権利能力（権利・義務の主体となることができる法律上の資格のこと）があるとして会社法などの法律によって人格を付与された団体をいいます。

＜法人の種類の区分＞
法人ー内国法人…国内に本店または主たる事務所がある法人
（登記簿上の所在地によって判断される）
外国法人…内国法人以外の法人

＜内国法人の区分と課税所得の範囲＞
種類 例／課税所得の範囲
普通法人 …株式会社・特例有限会社・医療法人など
…すべての所得
公益法人等 …社会福祉法人・学校法人・宗教法人・公益社団法人・公益財団法人など
…収益事業からなる所得
人格のない社団等…同窓会・PTAなど
…収益事業からなる所得
協同組合等 …農業協同組合・消費生活協同組合など
…すべての所得
公益法人 …地方公共団体・日本放送協会など
…納税義務なし
種類 課税所得の範囲

※特例有限会社について；会社法により有限会社の新規設立はできないが、既存の有限会社は特例有限会社として存続を選択する事ができます。
※NPO法人（特定非営利活動法人）の法人税法の適用については「公益法人等」とになされます。

②事業年度とは
法人税は、法人の各事業年度の所得に対して課税されます。「事業年度」とは、法令や定款（法人の目的・組織・業務などを定めた基本となる規則）等で定められた会計期間をいいます。
＜事業年度の例＞
4月1日〜翌年3月31日…3月決算
10月1日〜翌年9月30日…9月決算

③法人税の納税地
⑴法人税の特色
法人税は、所得税と同様「直接税」で、国が課税する「国税」です。法人自らが所得金額や納税額を計算し、申告・納税をする「申告納税方式」です。
法人税の税率は、中小法人の一定の所得部分を除いて、原則として単一です。

⑵法人税の納税地
内国法人の場合、「本店または主な事務所の所在地」が納税地とされ、法人税の申告や納付などの税務上の手続きは、原則として納税地を所轄する税務署長に対して行います。